Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

去りゆくトゥロと遠くなる2015年の影を憂う

「トゥロ」ことトロイ・トゥロウィツキーがリリースされた

「双方にとっての最適解」ということで、若手に出場機会を与えたい球団側と、現役の終盤にもう一度優勝争いがしたい or レギュラーとして活躍したいトゥロ双方の思惑が導いた結論だろう。

 

www.mlb.com

 

打高のロッキーズとはいえ、補正のかかるWARでも、毎年のように5〜6台を叩き出し、主力としては十分すぎる活躍。

一時期はメジャー最強遊撃手とまで言われていたトゥロだが、トロント移籍後は攻守とも低調に。2015年は2チーム合わせて2.8、2016年は3.4ながらも、2017年は66試合で0.1と、全盛期からは想像もつかない結果になった。

 

同時に、故障に悩まされ続けるキャリアで、それはブルージェイズ移籍後も続いた。昨年はずっと60日DLに入り、ついにメジャー出場なし。

 

そして何より、来年は20M、再来年は14M、そして翌2021年の契約も残る。決してコストパフォーマンスの良い契約ではないと言えるだろう。

 

上記の通り、若返りを図るチーム方針もあり、来期出場機会があるかどうかは明確ではなかった。

そして、故障がちなベテランでリスクをとりたくないという市場の方針もあるだろう。

ブルージェイズとしては、不本意ではあるが、年俸一部負担でのトレードも叶わず、年俸全額負担の上で解雇という結果になった。もしかしたら彼がトレードを拒否したのかもしれないが…

 

複数年契約の途中で解雇なんて、日本なら、柿○レベルの犯罪事案じゃないと起きないだろうし、ビジネスライクなアメリカならではの出来事かもしれない。そして、移籍の多いアメリカだからこそなのかもしれない。

 

しかし、ブルージェイズという球団に限って言えば、2015〜16年、あの最高の2年間のメンバーが、また1人チームを去る

 

それまでの失敗や期待はずれがあったからこそ、その2年 (特に2015年) がいかに素晴らしい年だったかというのは、過去のエントリーに譲るとするが、こうやって主力選手の成績だけ見ても、ネームバリューに困らないラインアップだったことが思い出せる。

 

1 (LF) Ben Revere

2 (3B) Josh Donaldson

3 (RF) Jose Bautista

4 (DH) Edwin Encarnacion

5 (SS) Troy Tulowitzki

6 (C) Russell Martin

7 (1B) Justin Smoak / Chris Colabello

8 (CF) Kevin Pillar 

9 (2B) Ryan Goins / Devon Travis

 

2〜6番が全員オールスター経験者。7番スモークもその数年後にオールスターに出るなど、ネームバリューたっぷりの打線だった。15球団あるアメリカン・リーグから、1試合しかないオールスターに選ばれるのは、日本よりも難しいだけに、なおさらこの打線の凄みが増す。

2〜4番は全員が40本塁打近く打ち、かつ110打点を達成した (エンカーナシオンがあと1本出れば40本110打点トリオだった)。

日本で例えていえば、全盛期中村剛也と全盛期タフィー・ローズと山川穂高が同じチームにいるみたいなもんだ。

今となっては11人中4人がチームに残るのみだし、大型契約で迎え入れたラッセル・マーティンは今年打率2割を切る惨状、デボン・トラビスもようやく100試合出れたと思ったら大して打てず。という状況だが…

 

投手陣も、2016年の方が良かったとはいえ、エース (仮) RA・ディッキーを筆頭に、マーク・バーリー、マルコ・エストラーダ、ドリュー・ハッチソンと続き、シーズン終盤には故障から復帰したマーカス・ストローマン、トレード補強のデービッド・プライスまで加わった。

入れ替わりの激しいメジャーリーグでは、今年FAのエストラーダと、ストローマンしか、もう残っていないのもあまり驚きではないが…

 

リリーフには弱冠20歳 (当時) のクローザー、ロベルト・オスーナ。そして先発から回ったアーロン・サンチェスが8回を任され、リアム・ヘンドリックス、ブレット・シーセル、アーロン・ループら、ブルペンも手堅かった。

今となってはアーロン・サンチェスが残るのみ、というメンツである。特に、守護神オスーナは、女性に対する暴力事件で訴追されたことがきっかけでトレードされた。

3年前の自分がそれを知ったら何を思うだろうか。

 

プレーオフ地区シリーズでは、0勝2敗の窮地から巻き返して、勝った方がリーグ決勝シリーズ進出となる第5戦。

疑惑の判定もある中で、最後はこの男のこんな出来事もあった。

 


Jose Bautista hammers go-ahead three-run shot in ALDS Game 5, delivers epic bat flip

 

結局2015年はリーグ決勝シリーズで敗れてワールドシリーズ進出はならなかったものの、弱かったブルージェイズがカナダ全体を沸かせた、大きな一年となった。

翌年もプレーオフには出たものの、決意の大型トレードに沸き、圧倒的な強さで地区優勝したのは2015年。22年ぶりのプレーオフ進出も2015年。

やはり、この年の印象は深い。

 

その後は勝利数が93→89から2017年には76勝、今年は73勝と落ちる一方。

2015年の途中から増えていった観客動員も、当時の2,794,891人 (MLB8位)から、2016年と2017年には3,392,099人、3,203,886人でALトップ (MLB3位、5位) になったものの、今年はついに2,325,281人 (MLB13位) まで戻ってしまった。

 

1試合あたりでみても、2015年34,505→2016年41,878→2017年39,554→2018年28,707人で、2014年以前の水準に逆戻り。

 

盛者必衰とはよくいうが、強い時期を知っているからこそ、終わりは儚いものなのだなと思わされる。

 

それでも、あの2015年の輝きは消えることがないし、「トゥロウィツキーがトロントに来る!」という知らせとともに、彼がトロントの街やファンに与えてくれた夢が色あせることもない。

たとえここからジェフ・ホフマンが大ブレイクしようとも、トゥロが他球団で復活しようとも、トゥロがいなければ2015〜16年のブルージェイズはプレーオフに出れていなかったかもしれない

 

その事実だけで、価値のある冒険だった。

そう今でも胸を張って言える。

 

ありがとう、トゥロ。

どうか次のチームでも幸せであれ。