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ジョゼ・モウリーニョがまたも越えられなかった3年目の壁

案の定というか、やっとか、という声も聞こえてきそうだが、ジョゼ・モウリーニョが解任された。

www.goal.com

 

第1次政権では、50年ぶりのリーグ優勝を含むプレミアリーグ連覇と、リーグカップ・FAカップのダブル。第2次政権でも2年目にキャピタル・ワン・カッププレミアリーグ制覇。チェルシーにとっては、今なお最も偉大な監督の一人と言えるだろう。

 

しかし、モウリーニョには3年目の壁があるように感じる。

1年目でチームを作り、2年目に結果を出し、3年目に崩れる」と、海外でも言われているようだ。

(https://www.google.co.jp/amp/s/theprideoflondon.com/2018/12/18/history-will-remember-jose-mourinho-chelsea-not-manchester-united/amp/ )

 

チェルシーでも第1次政権では (解任されたのは4年目の序盤になるが) 3年目に補強方針でフロントと対立、はじめてリーグ優勝を逃した。第2次政権は主力の不振などもあり3年目の途中で解任された。

 

振り返ると、コパ・デル・レイを1年目に、リーガを2年目に制覇したレアルでも、3年目はスーパーカップ以外は無冠に終わり退任

マンチェスター・ユナイテッドも、図らずも3年目途中での解任となった。

 

チェルシーでも、選手との不仲説が浮上していた時期もあったし、マンUでいえば、ポール・ポグバとの衝突は記憶に新しい。

 

ポルトは1年目がシーズン途中からなので、実質3年目に最高の結果を出してチェルシーに引き抜かれる形になったが、インテルは2年で退任しており、3年目でも結果が出たのはポルトくらいか

 

とはいえ、3年目にチームが崩れたとしても、監督を務めたどのチームでもコンスタントに結果を出しているのは名将と呼ばれる所以だろう。

 

Wikipediaソースだが、モウリーニョが監督を務めたチームでの成績がまとめられていた。

ベンフィカ (2000/9/20~ 2000/12/5)

11試合 6勝 3分 2敗 17得点 9失点 得失点+8 (勝率54.55%)

 

ウニオン・レイリア (2001/4/14 ~ 2002/1/20)

29試合 15勝 8分 6敗 49得点 32失点 得失点+17 (勝率51.72%)

 

ポルト (2002/1/23 ~ 2004/5/26)

124試合 90勝 21分 13敗 251得点 92失点 得失点 +159 (勝率72.58%)

 

チェルシー (2004/6/2~2007/9/20)

185試合 124勝 40分 21敗 330得点 119失点 得失点+211 (勝率67.03%)

 

インテル・ミラノ (2008/6/2 ~ 2010/5/28)

108試合 67勝 26分 15敗 185得点 94失点得失点 +91 (勝率62.04%)

 

レアル・マドリード (2010/5/31 ~ 2013/6/2)

177試合 127勝 28分 22敗 471得点 166失点 得失点+305 (勝率71.75%)

 

チェルシー (2013/6/3 ~ 2015/12/17; 得失点データなし)

136試合 80勝 29分 27敗 (勝率58.82%)

 

マンチェスター・ユナイテッド (2016/5/27 ~ 2018/12/18; 得失点データなし)

144試合 84勝 32分 28敗 (勝率58.33%)

 

この数字は公式戦全体なはずなので、勝率はチームの順位や欧州内でのレベルなどにも影響されるが、どのチームでもコンスタントに60%〜70%の勝率を叩き出しているのはさすがである。

 

…というか、そもそも、3年で変わるモウリーニョは、本当に短命なんだろうか??だってチェルシーは監督すぐ変わるし…

 

実際、モウリーニョが率いたチームで、長期政権といえば誰になるのだろう。気になったので調べてみると…

 

チェルシーはちょうど前任のクラウディオ・ラニエリが4シーズン監督を務めあげたが、ご存知ロマン・アブラモビッチの買収以降は、モウリーニョ政権の次に長持ちしたのは、第2次モウリーニョ政権が3年目に突入したとき

アンチェロッティ、コンテが2年フルに務め上げた以外は、1年持たなかった監督も多い。

(サッリ監督にはそれを覆すことが期待されるが…)

 

また、レアル・マドリードでは、モウリーニョ以前に3シーズン以上率いた監督は、ビセンテ デル・ボスケ・ゴンサレス (1999-2003) まで遡る。この間の監督は実に9人。

また出てくるアンチェロッティも、レジェンドのジダンも、2年でレアルを去っている。

 

レアルやチェルシーのようなすぐ監督が代わるチームの中でも、結果を出して比較的長期政権を築いたこと、特にチェルシーでは2度の采配を振るい、いずれも結果を出したといえることは評価すべきだろう。

www.realmadrid.com

 

インテルも、モウリーニョより長期政権を築いたのは、モウリーニョの前任者にあたるロベルト・マンチーニくらいで、モウリーニョ退任後に限ると、第2次マンチーニ政権以外は、2年フルに持った監督もいないらしい。

それ以前だと、4年以上の長期政権は1986~1991年のジョバンニ・トラパットーニまでさかのぼるようだ。

www.weblio.jp

 

やっぱり、長期政権といえば、アーセン・ヴェンゲルや、サー・アレックス・ファーガソンの印象が強いが、マンチェスター・ユナイテッドはそのファーガソン監督以降は、3シーズン持った監督がいない

 

少し逸れるが、今プレミアリーグに長期政権の芽はあるのだろうか。

今のプレミアリーグに限って言えば、最長政権は、ボーンマスのエディー・ハウで、2012年10月に就任して6年超。そしてバーンリーのショーン・ダイクが同じ2012年10月に就任 (ただしこちらは月末に就任)。

次いでトッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノが2014年に就任し、現在5年目

4年以上勤めあげているプレミアリーグの監督は現在これだけ (ブライトンのクリス・ヒュートンが間もなく5年目突入するが…)。

List of current Premier League and English Football League managers - Wikipedia

 

強豪クラブをみると、リバプールのユルゲン・クロップが、現在4年目突入。また、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラも、現在3年目。今もプレミアリーグの優勝候補とされるこの2チームに長期政権の可能性があるかもしれないが、とりわけペップはバルセロナも2008~2012年の4シーズン、バイエルンも2013~2016の3シーズンのみ。輝かしい功績の割には、意外とすぐチームを移り変わっている。

 

ドルトムントで7シーズンも長期政権を築いたクロップが珍しい

もしかしたら、そういう時代なのかもしれない。

 

これだけ書いてみて、「3年で絶対崩れる」と思っていたモウリーニョ監督も、「2年持たない」監督が多い中での「3年目の壁」なのだなと思わされた。

最適解を目指して、目まぐるしく指揮官が変わるビッグクラブにおいて、ほぼ確実に結果を出してくれる「スペシャル・ワン」は、ある種劇薬のような存在ではあるが、やはりスペシャルな存在なのだと思う。

だからこそ、今回の解任があっても、モウリーニョが名将の1人だということは揺るがないだろう。

 

マンチェスター・ユナイテッドは立て直せるのか。名将の次のチャレンジの舞台はどこになるのか。

気になら点はいろいろあるが、それはまたの機会としよう。