Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

やっぱり割に合わなかった炭谷銀仁朗の「補強」

大阪駅のホームで大声を上げてしまった。

 

炭谷の人的補償で内海哲也が西武へ

 

まさかの人的補償が内海だ。

 

…あの内海だ。

 

当時のエース・上原浩治の抑え転向・メジャー移籍後から巨人のローテーションを引っ張り、2011年・2012年には最多勝も獲得したあの内海だ。

 

例えていえば、阪神なら鳥谷敬を、ヤクルトなら石川雅規を、ロッテなら福浦和也を、当事者・西武なら栗山巧を取られるようなものだろうか。

 

正直、納得がいかない

元エースだからというのもあるが、今年だって十分に戦力になると思っていた。

 

今年は防御率4.17だったとはいえ、7月末時点では9試合で4勝2敗。なにより、この時点では55回1/3を自責点13で防御率2.11だった。

夏場に疲れが来たとはいえ、まだやれる投手だっただろう。定期的にローテを飛ばすなど疲労に配慮すれば、1年を通して投げ抜いて、安定した成績になっていたかもしれない。

 

それより何より、定量化が難しいとはいえ、投手陣のリーダーとしての功績が大きすぎる。Wikipediaだけでも、内海のリーダーエピソードで1つの章になっている。一部抜粋させていただこう。

 

(以下Wikipediaより引用)

内海が入団した時の投手陣は、エースの上原浩治に桑田真澄、高橋尚成らの生え抜き投手とFA移籍した工藤公康がいたが、これら実績ある投手は一国一城の主として君臨し、若手投手からは口も利けなかったという。ある日、内海が先輩投手と話をしていた時、それを見たある選手に「内海は他の派閥に移った」と告げ口され、元々派閥意識がない内海は非常にショックを受けた。当時内海は、同じ左腕の高橋尚成を慕っており、数年後に高橋がメジャーに移籍した後は、投手陣のグアム自主トレのリーダーを引き継いだ。と同時に、あの暗黒時代が二度と起きないように、環境を変えようと決意。手始めに、後輩投手への呼び方を名前(あだ名)で呼ぶようにしたり、オフの調整方法を自ら教え、練習も出来るだけ一緒にやるようにしたという。その後、先輩投手が移籍や引退して行き、内海が投手陣のリーダー格になって来た時、チームもリーグ三連覇を達成し、ようやく自分の考えた環境(フラットな関係)に少しずつ変化して行った。

(引用おわり)

 

誰でも書けるWikipediaだし、どこまでが真相かはわからないが、原文ではこの後に、FA移籍した杉内俊哉や村田修一のエピソードが続く。その後も戦力外になった選手の練習相手を買って出るなど、リーダーシップにまつわるエピソードは事欠かない。

 

ただのエースではない。

内海哲也という選手が、巨人にもたらしたものは大きい。

 

その内海がいなくなるというのは、単純に今年の巨人から14先発5勝5敗と6回のQSがなくなる、という数字で片付くものではないだろう。

 

仮にも侍ジャパンの捕手がいるポジションに1枚ベテランを加えるのと、投手陣のリーダーを失うの、どちらが影響が大きいのか。

 

僕は後者に思えてならない。仮にそうだとしたら今回のFAは完全に「補弱」だ。堀内恒夫さんは、ブログにて「補強じゃなくて強化をしている」とブログにて仰っていたが、今回の移籍は、補うフリして弱くしている

 

…そりゃ、若手を守りたいというプロテクト方針は大いに賛成だ。大江や高田、畠あたりを取られるのは割に合わなすぎるし、一岡や平良で痛い目は十分に見てきた

その方針の結果、生え抜きの功労者が取られるリスクは重々承知している。

それでも、例えば菅野や柳田、山田哲人クラスの選手が巨人に来るなら、それで巨人が優勝するなら、その苦渋の決断を下さなきゃいけない時だってあるだろう。今回の丸の移籍はその際たる例だろう。

だから、丸の人的補償が亀井だとしても長野だとしても陽岱鋼だとしても、仮に畠だとしても、それは当然寂しいが、僕に文句を言う権利はない。

 

 

…今回はどうだろうか。

 

 

間違いなくそんなわけがない

 

 

かたや派閥闘争のあった投手陣をまとめ上げたリーダーにして、最高の仲間思いの功労者。かたやエース専属で出番を失っていた3番手捕手。

言い方は悪いが、今年1年で西武戦も人なりに見に行く中で、彼の出番が減るのと、数字が落ちていくのは見てしまっていた。4月末に.344、5月末時点で.305あった打率も、出番の減少とともに、.250を割り込んだ。休み休み出ているから比較的打てている1年…だったはずなのだが。

 

いずれにせよ、これだけ見たら「どっちが人的補償だよ!」と言いたくなるレベルだろう。

 

巨人が元エースをプロテクトしなかったのも、彼のリーダーシップや、現在の能力に対する評価が高くないからかもしれない。

とはいえ、小林誠司や大城卓三の尻に火をつけるために、内海哲也を差し出す必要があっただろうか。少なくとも、彼やほかの生え抜きベテランを失うリスクをとる必要があっただろうか。

こんな中途半端な「補強」でチームの功労者を失うなら、そんなのは「補強」じゃないし、要らなかった

一ファンとして、声を大にして言いたい。

 

いや、正直、そう言い続けていたのだが…

そもそも補強ポイントじゃないと思っていたし。

 

T.M. on Twitter: "巨人は炭谷銀仁朗じゃなくて西勇輝を取りに行け!!小林大城でキャッチャーはなんとかなるけど去年ローテを守りきった投手が何人いる?イニングを食える先発が何人いる? >RT #Giants #ジャイアンツ #巨人"

 

補強としての質も微妙だし。

 

T.M. on Twitter: "炭谷銀仁朗の通算OPS.533 小林誠司の通算OPS.569 なお #Giants #ジャイアンツ #巨人… "

 

 

この通り、若手をとられるリスクを冒すまでの補強じゃない、とは前々から言い続けていたのだ。

 

T.M. on Twitter: "巨人が優勝するためにも炭谷選手には残留していただきたい、控え捕手の補償で期待の若手が流出なんてたまったもんじゃないぞ #Giants #ジャイアンツ #巨人 #kyojin"

T.M. on Twitter: "あと本気で炭谷はいらない。これで和田恋とか石川慎吾とかその辺持ってかれたらブチギレる。ツイッター荒れ狂う。 #Giants #ジャイアンツ #巨人"T.M. on Twitter: "と、いう意味でも、もちろん、5年連続V逸は球団史上ワーストになるから許されない、という意味でも、今回の補強は (炭谷で補償が発生すること以外は) 大賛成です。 #Giants #ジャイアンツ #巨人"

 

おそらく和田恋も石川慎吾もプロテクトされたのだろう。

…が、まさかこんな形になるなんて。

 

もちろんプロテクトから漏れた内海を選んだ西武に非なんて何一つないし、FAでの移籍を決断した炭谷にも非はない

問題は、こうやって功労者なり若手なりを取られるリスクを承知で、西武の3番手捕手を取りに行った編成だ。

生え抜きの功労者を実質的な「大損トレード」で放出したというのは、一生恥ずべき、編成の最大の失敗だ

 

きっといつか内海は戻ってくるだろう。

それが最速で来年にもFAでの復帰という形なのか、コーチとしてなのかはわからないが…

入団までの経緯等考えても、彼のジャイアンツ愛は揺るがない。移籍があったとしても。そう信じていたい。

だからこそ、将来のコーチ候補だった生え抜きエースを、こういう形で放出してしまうのは、編成の失敗だ。

よく言えば「他球団で経験を積んでそれを巨人に還元」となるが、FAで人的補償した巨人のエースが、これまでにいただろうか。

 

 

…原監督は炭谷を「優勝に必要な戦力だ」と言ったという。

その原監督は今何を思うのだろう

その戦力は、杉内・山口鉄也引退で貴重になったベテラン左腕を失ってでも必要な戦力だったのだろうか。

その戦力は、自分の第2次政権時のエースを失ってでも、必要な戦力だったのだろうか。

その戦力は、投手陣のリーダーにして人気選手を失ってでも、必要な戦力だったのだろうか。

 

少なくとも、ファンの多くはそうは思っていないはずだ。

 

…こうして、図らずも炭谷銀仁朗にかかるプレッシャーは、尋常じゃないものになってしまった

 

それをはねのける活躍ができるだろうか

 

いや、はねのけないといけないだろう。

 

「優勝に必要な戦力」ならば。

 

そして、巨人愛を貫きながらも放出されたエースのためにも。