Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

完全に村田真一と重なり出した小林誠司の未来を占う

さて、内海哲也のショッキングな移籍から1日が経ったが、前回も書いた通り、炭谷銀仁朗にかかるプレッシャーは相当なものだと推測される。

 

それに、これまでレギュラーだった小林誠司にもプレッシャーだろう。

そもそも、打てない小林を発奮させる意味でも、2017年ドラフトは批判されるくらいの捕手偏重だったし、打てるルーキー・大城が優先的に起用される時期もあった。

そして、捕手偏重ドラフトの影響もあって、ベテランが流出していたこともあり、経験のあるベテラン捕手である炭谷に白羽の矢が立って、今回のFA補強に至ったわけだ。

 

…しかし、捕手を奮起させるために別の捕手を取ってくるのは、巨人では常套手段だ。

振り返ればV9捕手の森昌彦も、毎年のように有望な捕手を補強されていたと聞く。それでも毎年最後は森がマスクを被っていたのだから恐れ入るが。

小林を「干した」とされる村田真一も、その例だ。そこで、今回は村田真一の成績と、巨人の捕手補強を見てみようと思う。

 

*10試合以上出場に限定

 

1988年 → 2位

有田修三

74試合 202打数 59安打 .292 12本40打点0盗塁

山倉和博

58試合 153打数26安打 .170 4本17打点1盗塁

高田誠

28試合 45打数10安打 .222 0本3打点0盗塁

村田真一

25試合  33打数  5安打 .152 0本0打点0盗塁

 

前年MVPの山倉和博が故障離脱したこの年、有田修三が正捕手に定着。カムバック賞を受賞する活躍を見せた。

また、この年のオフに、中日から中尾孝義が、西本聖と加茂川重治とのトレードで加入。

余談だが、FA権のない当時、この年は4勝に終わったとはいえども、ダブルエースの一角だった西本聖を放出するトレードは、どういう反響で受け止められたのだろうか…

 

 

1989 → 1位、日本一

中尾孝義

87試合 237打数 54安打 .228 5本 27打点 6盗塁

山倉和博

46試合 92打数11安打 .120 1本10打点0盗塁

有田修三

30試合 64打数15安打 .234 0本5打点 0盗塁

村田真一

12試合  29打数  4安打 .138 1本5打点 0盗塁

 

トレード加入した中尾がそのまま正捕手に。山倉は故障の反動か打撃も振るわず、またレギュラーを奪われる形になった有田はこの年で巨人から移籍した。

 

 

1990 → 1位、日本シリーズ敗退

村田真一

84試合209打数57安打.273 13本44打点0盗塁

中尾孝義

56試合114打数29安打 .254 7本18打点0盗塁

山倉和博

44試合85打数18安打 .212 2本14打点0盗塁

 

村田真一がこの年90試合出場でブレイク。

この年のドラフト2位で吉原孝介が指名された。村田に押しやられる形になった山倉和博は、後輩が育ったのを見届けるかのように、この年で引退。87年のMVPからわずか3年、翌年の故障が響いたか。

この年の最後に杉山直樹が一軍昇格。後に2番手捕手として活躍することになる。

 

1991 → 4位

村田真一

111試合320打数79安打.247 17本42打点1盗塁

吉原孝介

35試合58打数9安打 .155 1本1打点3盗塁

中尾孝義

31試合 53打数 14安打 .264 1本 5打点 1盗塁

 

村田真一は初の100試合超え。

ルーキー吉原が35試合に出場し、中尾孝義を押しのけて2番手捕手に。

 

1992 → 2位

大久保博元

84試合260打数72安打.277 15本 43打点0盗塁

吉原孝介

49試合74打数20安打.270 0本8打点2盗塁

村田真一

34試合  86打数20安打.233 3本 9打点0盗塁

 

シーズン中に中尾孝義と大久保博元がトレード。そのまま大久保がレギュラーに定着した。

この年のオフには村田善則がドラフトで加入。一軍の戦力になるのは数年先だが…

 

 

1993 → 3位

村田真一

88試合 258打数61安打.236 6本28打点0盗塁

大久保博元

40試合110打数24安打 .218 10本16打点1盗塁

吉原孝介

39試合85打数19安打.224 1本7打点 0盗塁

杉山直樹

12試合13打数1安打 .077 0本0打点0盗塁

 

村田真一が88試合で再び正捕手に。

 

1994 → 1位、日本一

村田真一

120試合 330打数 82安打 .248 10本41打点1盗塁

大久保博元

62試合 119打数 35安打 .294 9本18打点0盗塁

 

そして120試合出場で不動のレギュラーとして日本一に貢献した。

 

1995 → 3位

村田真一

116試合 339打数 90安打 .265 13本 38打点 0盗塁

杉山直樹

30試合64打数19安打.297 0本1打点0盗塁

吉原孝介

21試合18打数1安打 .056 0本1打点0盗塁

大久保博元

14試合 24打数4安打 .167 1本2打点0盗塁

 

村田真一が116試合出場でこの年も不動のレギュラー。

大久保はこのシーズンの序盤での骨折が遠因となって引退。

 

1996 → 1位、日本シリーズ敗退

村田真一

99試合 265打数55安打.208 5本26打点0盗塁

杉山直樹

66試合 147打数37安打.252 3本12打点0盗塁

吉原孝介

25試合21打数7安打.333 1本3打点0盗塁

 

1997 → 4位

村田真一

75試合 128打数21安打.164 1本6打点0盗塁

柳沢裕一

57試合121打数26安打.215 0本0打点0盗塁

杉山直樹

54試合84打数20安打.238 4本11打点0盗塁

吉原孝介

26試合43打数7安打.163 0本1打点0盗塁

村田善則

16試合46打数7安打.152 0本1打点0盗塁

 

結局柳沢は1999年シーズン中にトレードで放出された。

 

1998 → 3位

村田真一

107試合 298打数80安打.268 7本47打点0盗塁

杉山直樹

37試合84打数12安打 .143 2本8打点0盗塁

吉原孝介

35試合62打数15安打.242 1本4打点0盗塁

 

1999 → 2位

村田真一

91試合237打数49安打.207 9本28打点0盗塁

村田善則

41試合 55打数13安打.236 1本4打点0盗塁

光山英和

38試合61打数7安打.115 0本0打点0盗塁

杉山直樹

29試合76打数14安打.184 2本9打点

 

村田真一が顔面死球を食らい離脱した年。

シーズン途中に吉原孝介が光山英和とのトレードで移籍。結果光山の出場はこの1年のみ。

 

2000 → 1位、日本一

村田真一

101試合225打数46安打.204 7本34打点0盗塁

村田善則

76試合153打数41安打.268 3本13打点0盗塁

杉山直樹

38試合52打数7安打.135 1本7打点0盗塁

 

そして杉山メンバーが爆誕した。ドラフトでは阿部慎之助を獲得。その後は書くまでもない。

 

2001 → 2位

阿部慎之助

127試合 386打数 87安打 .225 13本 44打点 3盗塁

村田真一

54試合 84打数15安打.179 4本14打点0盗塁

 

この年で長嶋監督は勇退したが結果的に阿部慎之助という最高の置き土産を残してくれた。そして阿部の教育係となった村田真一は、後輩が育ったのを見届けるかのようにこの年で引退。村田真一のブレイク年に引退した山倉和博の姿が重なる。

 

とはいえ、村田真一も、通算成績を並べると、1134試合 2881打数 673安打 .234 98本 367安打 2盗塁だ。

コーチとしては「パワハラ疑惑」や「コンパクト打法」などでファンに酷評されていたが、選手としては投手陣から絶大な信頼を置かれていたとのこと。(Wikipediaより)

宮本和知の著書である『プロ野球超プレイ笑プレイ』ではその人柄を絶賛され、「当時のエース達もここぞという試合では、信頼できる村田さんを女房役に指名することが多かった」と語られている。

肩は弱かったが、その投手陣からの信頼と、パンチのある打撃で、捕手として巨人史上4位となる1087試合に出場。長い巨人の歴史の中での4位だから、胸を張っていい数字だろう。

1991年8月13日の対大洋戦で1試合8盗塁を許すなど肩は弱かった。(中略) 投手陣からの絶大な信頼、安定したリード、打率こそ低いもののパンチの効いた打撃を武器に、(中略) 捕手としての出場試合数「1087」は森祇晶、阿部慎之助、山倉和博に続く歴代4位の球団記録である

 

小林も、菅野や山口が「小林と組ませてほしい」とコーチに直談判したという話があるように、投手陣からの信頼はあるはずだ。3年連続盗塁阻止率リーグ1位で強肩も立証済みだ。

「あとは.240打てれば」という原監督の発言もあった。

その「あとは.240打てれば」を達成してもらうためにも、炭谷の補強があったんだと信じたい。(当然、併用による負荷軽減もあるはずだが。)

 

…決まってしまったからには内海の流出はしょうがない。

「いつか巨人のコーチとして戻ってきてもらう時の経験にもなる」という見方も出ている。

 

さて、その内海流出のリスクをとってでも炭谷を取ったことで、小林誠司は一層の奮起が求められるが、どうなるだろうか。

 

小林誠司が、強肩好守の名捕手として名を馳せるためにも、大事な1年なのは間違いがない。

 

負けるな、小林。強くあれ。

それこそが炭谷補強の最大の狙いだと思う。