Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

ラムズを「研究し尽くした」ペイトリオッツの凄さ

ペイトリオッツが6度目のスーパーボウル制覇を決めた。

相手がラムズというのは、ペイトリオッツ初のスーパーボウル制覇となった2002年以来。なんとなく時代が巡った、そんな感じ。

いつか書いた気がするが、いずれもトム・ブレイディがペイトリオッツの正QBになってからのもの。

ブレイディ個人でのスーパーボウル制覇6回は、個人としては史上最多

2015, 2017, 2019年と、歳を重ねてから3回も制覇しているのだから恐れ入る。

 

…しかし、最終スコアは13-3

最強QBのブレイディ擁するペイトリオッツと、現役最強RB (の1人) ガーリーや、若きスターQB・ゴフを擁するラムズ。

お互いに守備にもスター選手がいるとはいえ、びっくりするようなロースコアの展開となった。

 

  • 2002年:20-17でペイトリオッツの勝利
  • 2004年: 32-29でペイトリオッツの勝利
  • 2005年: 24-21でペイトリオッツの勝利
  • 2008年: 17-14でジャイアンツの勝利
  • 2012年: 21-17でジャイアンツの勝利
  • 2015年: 28-24でペイトリオッツの勝利
  • 2017年: 34-28でペイトリオッツの勝利 (延長戦)
  • 2018年: 41-33でイーグルスの勝利

 

去年・一昨年は、30点近いハイスコアの殴り合いだったし、ラムズの攻撃もそれだけの破壊力を持っていただけに、予想外の展開だった。

 

ハーフタイムショーでマルーン5が出てくる頃には、

マルーン5

ペイトリオッツ3

ラムズ0

なんてジョークのツイートが出てくるくらいだ。

…スタッツを見てみると、なんとなく想像がつく。

 

パス成績

トム・ブレイディ (ペイトリオッツ)

パス35回中21回成功 (60%) 262ヤード獲得 0TD 1INT

 

ジャレッド・ゴフ (ラムズ)

パス38回中19回成功 (50%) 229ヤード獲得 0TD 1INT

 

ラン成績

ソニー・ミシェル (ペイトリオッツ)

ラン18回94ヤード (平均5.2) 1TD

 

レックス・バークヘッド (ペイトリオッツ)

ラン7回43ヤード (平均6.1) 0TD

 

トッド・ガーリー (ラムズ)

ラン10回35ヤード (平均3.5) 0TD

 

CJ・アンダーソン (ラムズ)

ラン7回22ヤード (平均3.1) 0TD

 

 

ペイトリオッツの守備陣が、ガーリーとアンダーソン、両RBのランを完全に封じ込めているのがわかる。

プレイコールを見ると、最初のラムズのプレイがガーリーのラン。そこから、CJ・アンダーソンが走るシリーズがいくつかあったものの、基本的にはゴフのパス。次にガーリーが走るのは、第2クオーターの中盤まで辿らないといけない。

 

…シーズン中のラムズは「ガーリーのチーム」だった。それだけ、ガーリーがランを繰り出し、時にパスを受け、走り続けた。

しかし、プレーオフでは一転、CJ・アンダーソンが大爆発。最初のカウボーイズ戦で、ラン23回で123ヤードを獲得すると、次戦のセインツ戦でもラン16回を走り、スーパーボウル進出に貢献した。

カウボーイズ戦ではラン16回115ヤードだったガーリーだが、セインツ戦ではランわずか4回。

 

特にラムズからの発表はないが、プレーオフの間に、ガーリーに何かあったのでは、と思わされてしまう。

 

…しかし、その情報を知っていたのか何なのか、ペイトリオッツの守備陣がラムズを完全に封じ込めた。

 

 もはや、ペイトリオッツ、そしてその首脳陣が、ラムズを「読み切っていた」かのような展開である。

ゴフのパス攻撃を中心に、ハイスコアの殴り合いに持っていくことも、ガーリーのランを中心に組み立て、相手にボールを持たせない、という攻撃をしながら自分たちでペースを握る、そんな試合運びもできたはずだ。

それは、ペイトリオッツにとっても同じなのだが…

 

そんなラムズが選んだのは、ガーリーではなく、ゴフのパスを中心とした攻撃。それを読み切ったかのように、ゴフにプレッシャーをかけ、セカンダリーの選手が要所でパスを封じた。

ゴフの成績は、第1クオーター終了時、なんとパス6回中2回のみが成功。
ショーン・マクベイHCの「賭け」は、スーパーボウル巧者のペイトリオッツの前では無力だった。

 

一方のペイトリオッツは、相手の攻撃を抑えるには、相手にボールを持たせないのが一番だ、と言わんばかりに、ブレイディのパスを見せながらも、効果的にランを繰り出していく。
第1クオーターが終わっての攻撃時間も、ペイトリオッツが11:47に対し、ラムズがわずか3:13。

こうやって、同時に、アンダーソンも、ガーリーも「消しこんで」しまったのだから恐れ入る。

 

結局前半終了時点でゴフの成績はパス12回中5回成功、パス52ヤード。ガーリーもランわずか3回、攻撃時間はペイトリオッツが19:52、ラムズが10:08だった。

 

そうはさせぬ、とラムズの守備陣も奮闘したのが、結局、第4クオーター、終盤の終盤でブレイディからグロンコスキーやエデルマンなど、活躍すべき人にパスが通り、決勝タッチダウンランが決まった。

そりゃ、アーロン・ドナルドと、ダムカン・スーがいるディフェンスラインなんかそうそう対峙できるものではないのだけど、それすらも「長期戦で消耗させたところで押し込む」という意図が見え隠れするような試合運びだった。

 

当然、スペシャルチームの力もあるのだが、強力なオフェンスを前に、オフェンスにボールを持たせない、という試合運びを見せつけた、パス全盛の時代に一石を投じるような、圧倒的王者の貫禄を見た。そんなスーパーボウルだった気がする。

 

下馬評で予想されていたハイスコアの殴り合いとはまた違うものの、ペイトリオッツのすごみをまじまじと見せつけられた、そんな試合だったのではないだろうか。

 

どこまで行くのだろう、このチームは。