Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

それでもまだチェルシーは分岐点にいる

こんなことを書いてからしばらく経った気がする。

 

…チェルシーがアーセナル相手に0-2で敗れ、サッリ監督が「メンタリティの問題」「このチームはモチベーションを保つのが難しい」とチームをバッサリいってから1ヶ月。「メンタリティで片付けていいのか、ジョルジーニョ包囲網に対する対策はないのか」と問題提起したのが最初のエントリー。

 

しかし、その後ボーンマスに0-4で敗れると、当然一気に解任の噂が高まる。その試合後も、「サッリ・ボールの浸透に時間がかかる」と言い続けている監督に、残された時間は少ない、という要旨で書いたのが2つ目のエントリー。

 

…も、ホームでのハダースフィールド戦こそ5-0と勝利したものの、アウェイでの崩壊への打開策が見出せないまま、マンチェスター・シティ相手に、0-6の大敗。

開始4分で、チェルシーがセットプレーでの凡ミスから先制されると、アグエロの強烈シュートで2点目があっさり入り、そこからまたもチェルシーの凡ミスで3点目を決められ、20分で0-3。

そこには、ビッグ6対決とは思えないものがあった。

まもなく4点目が決まり、深夜なこともあって、諦めて眠りについたのだが、翌日「サッリ解任」とFacebookに出なかったことに、驚きと安堵が混在した気持ちになったのを覚えている。

 

しかし、「どうしてこうなったのか」という犯人探しが始まる。

そして、それは、選手個人から、より、クラブの体質的な話へと昇華していった。

「テリー、ランパード、ドログバ以降のリーダー不在」「エースのアザールの去就含めて長期コミットメントのないスクワッド」「サッリ監督の頑固さ…」

一部ではオーナーのアブラモビッチがチームを売ろうとしている、という噂も出ている。

まあ、どれも的を射ていると思うが…

 

…で、だ。

ヨーロッパリーグ、マルメFC相手にはアウェイで2-1、ホームで3-0と勝利、無事ベスト16までは生き残ったものの、FAカップはマンチェスター・ユナイテッドに去年のリベンジを果たされ敗退。

このFAカップ敗退で、解任か?という噂もあったサッリ監督は、結局残留。

しかし、「後任はゾラ」「いやランパード」「はたまたジダン」と、さまざまな声が上がるようになって来た。ジダンに関しては、補強費用£200M、アザールの契約延長、補強への発言権、という3つの条件まで噂されていた。

サッリ監督の最後の試合は、徐々に近づいている、たとえそれが今日でなくとも。

少なくとも、そういう雰囲気になり始めていた。

 

そんな中で迎えた、カラバオ・カップ決勝。相手は0-6で敗れたマンチェスター・シティ。

ここでまた0-6の再現とでもなれば、間違いなくサッリ監督は、ぼくが朝起きた頃には過去の人になっていただろう。

…が、フタを開けてみると、イグアイン加入後は初となる、アザールの偽9番、そしてアイデンティティともいえるポゼッションを捨て (支配率はチェルシー39%、マンC61%) て勝ちに来た。

ケパの「交代拒否」劇もあったが、0-0で耐え抜いた。

PK戦は、運が悪かっただけだと思う。

ジョルジーニョがいつものようにワンフェイク入れて蹴ったが、エデルソンは騙されなかった。

ダビド・ルイスが、いつものように長い助走から強いシュートを打ったら、ポストに当たった。

準決勝でうまくいったものが、結果的にはうまくいかなかった。

それでも、0-6で負けた相手に、しっかり調整し、0-0で120分を終えたことに意義があると思う。

 

…残すはプレミアリーグとELのみだが、そのプレミアリーグも、次節は3位のトッテナム戦。

CL圏内に食らいつくためには、なんとしても勝利求められるが、この結果次第では、本当にこれが最後かもしれない。

そんな状況もあるし、何よりホームで醜態を晒すわけにはいかない。幸いにも、アウェイでの散々な戦いぶりに比べると、ホームでは比較的戦えているのが良いニュースか。

 

しかし、この大事なタイミングで、追い討ちをかけるような、このニュース。

 

「ジダンの就任条件: 補強費用£200M」と噂になっていたのを吹き飛ばすような、このタイミングでの補強禁止。

サッリ監督が仮に留任したにせよ、次シーズンは、よりサッリ・ボールに合った選手を呼びたい、という話も出ていた中でのこのニュース。

当然、チェルシーとしても異議申し立てをするため、少なくとも2019年夏の補強はなんとかなる…という見方もある。

一部では、「補強禁止でチェルシーのユース選手がチームでポジションを掴むチャンスになる」という前向きな声もある。

それに、補強禁止によって、チェルシーが放出しないと判断したか、レアル・マドリードがアザール獲得から撤退する、という噂もある。不幸中の幸いとでも言おうか。

 

ペップがマンチェスター・シティに招聘されたときは、あらかじめペップのサッカーにあった選手を何人か呼んだうえで、それでも「戦術の浸透には時間がかかる」というのを承知の上で、1年待った。

サッリ監督の目指すサッカーも、似たようなものだろう。

過去エントリーでも危惧したように、チェルシーの体質として、そこまで待てるのかどうか、というのはあるが…

 

「浸透するのに時間がかかる」サッリ監督に、全幅の信頼を置くのか。

それとも、£200Mの大金を用意し、CL3連覇を果たしたマドリードのレジェンドを呼ぶのか。

もしくは、スタンフォード・ブリッジに愛された男が、愛された場所に帰ってくるのか。

補強禁止を受け入れ、若手主体のチーム作りを進めるのか。

そもそも、就任後1年、選手の補強が行えない中で、チェルシーの監督を引き受けたいと思う人はいるのだろうか。

 

…ここからどう転んだとしても、サッリ監督、そしてチェルシーは未来を占う大きな岐路に立たされている。

 

しかし、過去の監督だったらあっさり解任されていそうなこのタイミングで、まだサッリ監督がチェルシーを率いているのは、他ならぬクラブ幹部が、サッリ・ボールのポテンシャルを信じているから、なのかもしれない。