Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

ゲーム・スコアを考察してみる

ゲーム・スコアという概念をご存知だろうか。

メジャーリーグで先発投手に対して用いられる指標なのだが…

 

原文はこちらを参照されたい。 

 

Game Score measures a pitcher's performance in any given game started. Introduced by Bill James in the 1980s and updated by fellow sabermetrician Tom Tango in 2014, Game Score is presented as a figure between 0-100 -- except for extreme outliers -- and usually falls between 40-70.

A Game Score of 50 is considered "average," while a Game Score of 40 is deemed to be "replacement level." Game Scores in the 80s and 90s are widely regarded as impressive, and scores of at least 100 are exceptionally rare. Using Tango's formula, which is the version displayed on MLB.com, only nine of the 4,858 games started in 2015 resulted in Game Scores of 100-plus.

A Game Score is derived by factoring the quality (based on runs, hits, HR, walks, strikeouts) and quantity (innings) of a starting pitcher's performance

要点としては、先発投手のパフォーマンスを図るもので、もともと1980年台に、ビル・ジェームスが提案したこの指標を、2014年にセイバーメトリクス専門家のトム・タンゴが改善したものである。
極端な外れ値を除けば基本的に0-100の間に収まるようになっており、だいたい40-70の間に落ちることがおおい
ゲーム・スコアが50の場合「平均的」な投球で、40だと代替選手、つまるところは「そこのお前」レベルのピッチング。
80-90台のピッチングは「十二分に仕事をした」レベルの投球で、100まで行くと、かなりレアなものである (2015年以降、当該記事が掲載されるまでの4,858試合のうち、わずか9試合しか、ゲーム・スコアが100を超えることはなかった)。
ゲーム・スコアは、先発投手のパフォーマンスの質 (失点, 被安打, 被本塁打, フォアボール, 奪三振) と、量 (投球回) によって評価される。

 

Although James' and Tango's Game Score formulas lie in great parallel, they also diverge in ways that cause Tango's version to be slightly more linked to a pitcher's talent level. In the updated version, the following changes were made:

  • A baseline score was moved from 50 to 40. This change prevents very short outings from being calculated as near average. (Ex. With a 50-score baseline, a starting pitcher could strike out the first batter of the game and be removed to record a Game Score of 52 -- above average. In reality, though, the starting pitcher being lifted after one out puts the team in a highly unfavorable position.
  • A penalty for home runs allowed was implemented. Home runs allowed was not part of the initial formula -- created using the official line score in a box score -- despite their significant impact on a team's chances of victory.
  • The penalty for a walk allowed was doubled from -1 to -2, to be in line with the penalty for a non-homer hit (single, double, triple). Although a non-homer hit is more impactful than a walk, both events are viewed equally when determining a player's talent level.

上記の要点としては、ビル・ジェームスの初版と、トム・タンゴの改善版で何が違うかというと、より投手の能力が影響しやすくなっている。どういうことかというと…

  • 初期値が50→40に変更。これにより、短い先発が「平均」として計算されることを回避している。
    (この記事の出た数年後にオープナーやショートスターターが出てきたことを考えると、それを予知していたかのようだが…)
  • 被本塁打による減点が追加されている。本塁打は、勝敗に一番大きく影響する得点パターンでありながら、それまでは考慮されていなかったようで。
  • 与四球による減点が-1から-2に変更された。ホームラン以外のヒット (単打, 二塁打, 三塁打) のほうが、試合に影響しうるが、投手のパフォーマンスや能力を評価する際に、同じレベル感である。

(以下私見)

個人的には、単打とフォアボールは限りなく同じ価値 (2球目をヒットよりも、粘ってフォアボールのほうが痛い場合もあるので、フォアボールのほうが価値がある場合もある) だと思うし、長打と単打は分けて考えるべきな気もするが、いったんは置いておこう。

(ここまで私見)

 

で、どうやってゲーム・スコアを計算するの?というところなのだが…

Game Score formula (created by Bill James)

  •  Start with 50 points
  •  Add 1 point for each out recorded (or 3 points per inning)
  •  Add 2 points for each inning completed after the fourth
  •  Add 1 additional point for every strikeout
  •  Remove 2 points for each hit allowed
  •  Remove 4 points for each earned run allowed
  •  Remove 2 points for each unearned run allowed
  •  Remove 1 point for each walk allowed

Game Score formula (updated by Tom Tango)

  • Start with 40 points
  •  Add 2 points for each out recorded (or 6 points per inning)
  •  Add 1 additional point for every strikeout
  •  Remove 2 points for each walk allowed
  •  Remove 2 points for each hit allowed
  •  Remove 3 points for each run allowed (earned or unearned)
  •  Remove 6 additional points for each home run allowed

…要するにこういうことである。

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ここから先も長いので割愛するが、ジェームスの計算方法での最高点は、1998年5月6日のケリー・ウッドが9回を投げ切り完封した試合での105点だそうだ。
この試合、ウッドは被安打わずかに1、与四球なし、奪三振20と無双。タンゴの計算方法だと、ゲーム・スコアは112になる。

 

 

そんなわけで、巨人の先発投手にこの指標を適用してみる。

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うん。とりあえず最近のローテーションが大変なことになっているのが目に見えてわかる。

そして、HQSは大体70点くらい、QSは50点~60点代以上になっていることを考えると、大まかにその選手の出来栄えを見るには十分な指標な気もするが、精度はもう少し上がるのではないか?という気もする。

  • (上記の通り) 被安打1つとっても、単打と長打で与えるプレッシャーは全然違う
  • 2イニング続けて1本ずつヒットを打たれるのと、1イニングに2本打たれて次のイニング3人で抑えるのとでは違うような気もする。3者凡退ボーナスとかあったほうがいいのかな?
  • 1イニングあたりの球数も結構影響しそう。同じ3者凡退でも、1イニング8球くらいで切り抜けるイニングと、粘られて粘られて、1イニング20球近く投げて抑えるのでは違うし…
    この辺は「抑えてるならどれだけ球数をかけてもOK」という発想なのだろうか?
    テンポの良さが攻撃に多少なりとも影響するという仮説に立てば、チームに貢献しているのは、テンポの良い投手、というイメージもあるのだが…
  • デッドボールが考慮されていない?

この辺は、今後考察する際に補正をかけてみると面白いかもしれない。

というか他球団を含めてこの辺のデータとってきたいなあ。スクレイピングに手を出してみようか。