Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

あまりにも無能だったブルージェイズのフロントに怒りながら、MLBのトレード価値を考える

マーカス・ストローマンがトレードされ、悲しみに浸った数日後。

アーロン・サンチェスがトレードされた。
しかも、リリーフエース級のジョー・ビアジーニと、若手選手をひとりつけて、見返りはデレック・フィッシャーという、26歳の元プロスペクトただひとり

www.sportsnet.ca

 

2015年は先発ローテから、途中でブルペンに回りセットアッパーとして奮闘。そして2016年こそ最優秀防御率を獲得したサンチェスだが、2017年からはマメの問題にも苦しみ、2017年はわずか8試合の先発、2018年は20試合で防御率4.86、今年は23試合先発と離脱こそないものの防御率6.07で3勝14敗

フリーエージェントになるのも、最速で来年オフ
トレード価値が落ちていることを考えても、あと1年様子見をすることができるという点でも、今以上に高く売るチャンスはいくらでもあった

まあ、見切ったという言い方もできるかもしれないが…だとしても、先発投手の層を考えたら別に放出がマストという選手ではない。

 

見返りのデレク・フィッシャーも、今年で26歳 (同い年だった…) になる選手。もう若手やプロスペクトという域ではないし、なんなら、サンチェスと1歳しか変わらない
しかも、ルルデス・グリエルJr.が定着したレフトが主戦場。薄いのはセンター、少し譲ってもライトなので、その辺で使えるならまだ話は別だが、2017年のメジャーデビュー後、3年間で出場試合数は53→42→17と低下。しかも、通算打率は.201, 出塁率は.282。盗塁も3年間で合計9, 本塁打も10, 四球29に対して三振110と、一体何に惹かれたのかわからない数字だけが並ぶ。

ここ3年間のWARは、サンチェスが合計で0.2で、フィッシャーが0.6とはいえ、サンチェスは今年のWARが-0.5。2014年・2015年はWAR1.4, 1.9だし、昨年も離脱がありながらWAR0.8。通常だったらWAR1~2程度は期待できる中で、WARが-0.5の今売るという、文字通り最悪の売り時の状態だ。

 

先発で苦しみ、リリーフ専門に戻って復活したジョー・ビアジーニは、確かに今が売り時ではあるのだが…それでももう少しいい見返りが得られたはずだ。

 

まあ、案の定、「トレード・デッドラインの敗者」として挙げられる事態になった。

www.sportsnet.ca

 

マーカス・ストローマンのときも、こんなことを書いたのだが…

ここまで、コンスタントに毎年ローテーションを守りぬける、エース・2番手クラスの投手だっただけに、見返りは「トップ100に入る若手有望株+数名のマイナーリーグ有望株」くらいはあるだろう…と言われていたのだが、ふたを開けてみると、トップ100に入らない若手選手×2
ちょっと、拍子抜け感は否めないが…

ストローマンは、2017年から3年間でのWARは合計で8.7。1年で平均2.9WAR相当だ。

 

ここ3年間で13.8のWARを稼ぎ出し、10月に36歳になる今年もWAR3.9と高い数字を誇るザック・グリンキーは、契約が2021年まであることにも助けられ、プレシーズン時点でのアストロズのトップ10プロスペクトのうち3人 (Corbin Martin (投手 - 5位), J.B. Bukauskas (投手 - 6位), Seth Beer (一塁/外野 - 10位) を放出するトレードになった。しかも、アストロズのマイナーリーグはMLBでも6位の選手層という評価を得ている。その中でのトップ10だからこそ価値がある。しかも、Seth BeerはMLB全体でも100傑に入っている高評価のプロスペクトだ。
2年半近く契約が残っていること, 3年間で13.8WARという圧倒ぶりを考慮しても、35歳のベテランに対してこれだけ出せるのだ。というか、これだけ出す球団があるのだ。


投手のプロスペクトを各球団が出し惜しむ時代になってきていると聞くが、妥協するくらいなら、放出しなくたっていい。
それが、FAまであと1年半という強み、レバレッジになる。

事実、このトレード・デッドラインで動くかもしれないと言われていた、メッツのノア・シンダーガードは動かず、再びストローマンの同僚になった。それ以上に動くと思われていたマディソン・バムガーナーも、動かずじまい。

 

…そういうことなのだ。

確かに、昨年、かつてのMVP男、ジョシュ・ドナルドソンは、FA前の最終年。
故障に苦しみ続け、「なんとか売り手がみつかった」状態。当然、見返りはよくなく、トレードのタイミングは最悪だった。
ラッセル・マーティンも、契約最終年の今年、若手の出番のために、古巣・ドジャースにトレードとなったが、見返りも多くなく、20MUSDの高額年俸の大半をブルージェイズが負担して…という条件付きだった。
衰えが隠せなかったトロイ・トゥロウィツキーも、結局若手の出番を確保するために、見返りも何もなく解雇。

これまでに、ブルージェイズのフロントがトレードで散々苦汁をなめてきたのは間違いないが、「次の黄金期」を担う可能性の低いベテランと、「次の黄金期」も戦力になりうる20代中盤の選手とでは、事情が全く違うのだ

 

当然、今回トレードで獲得した選手が、活躍すれば、話は別だが、現時点では、#FireShapiro #FireAtkins といった否定的なハッシュタグがトレンドするレベルの反応だ。正直、2件のお笑いトレードと言われてもおかしくないくらいだ。

 

 

さて、どうなるだろうか。このトレードが、再建に向けて一歩前進…と言えるようなトレードに、正直現時点では全く思えない。