Tommyball

コンセプトは「スポーツ×○○」。スポーツに関連するいろいろなものを書いていきます。

ゲームで学ぶ「初めてのアメフト」

スーパーボウルから1週間、Maroon 5のハーフタイムショーや、プレー内容そのものでアメフトに興味を持たれた方もいるだろう。

せっかくなので、アメフトのゲーム、Madden NFLシリーズを使って、アメフトの基礎について、紹介させていただこうと思う。

  

 

試合の進み方

  • 15分×4クオーターの合計60分。この間の合計得点を競う。
  • 連続的にプレーが行われるサッカーやアイスホッケー、バスケよりは、1球1球でプレーが止まる野球に近い。
    基本的には15分の時計は止まらないが、条件によっては、プレー終了後に時計を止める場合がある。(詳細後述)
  • 前半、後半の間にハーフタイムがある。一般的には12〜15分だが、スーパーボウルは「ハーフタイムショー」を行うこともあり30分と長い。
  • 1プレーから次のプレーまで (原則) 40秒以内に行わないと反則扱い。この「次のプレーまでの時間」を「プレイ・クロック」という。(* 反則については後述)
  • 各チーム、タイムアウトが前後半で3回ずつ使える。
    タイムアウトを取ると、無条件で時計が止まり、通常40秒以内のプレイ・クロックが60秒になる。
  • この時間の間に、攻撃、守備、そしてスペシャル・チームの、3種類のいずれかを行う。スペシャル・チームは、「キックオフ」や「フィールドゴール」「パント」と呼ばれるキックプレーのことを指す。
  • フットボールのフィールドは100ヤードの長さ。それぞれの陣地の、端からの距離が、座標のようなものになる。(例えば、ペイトリオッツの30ヤード地点、ラムズの45ヤード地点など)
    フィールドについては、下記NFLジャパンの記事も参照いただきたい。

    nfljapan.com

  • 例として…f:id:tommy______m:20190211152846j:plain

    上の写真では、"第1ダウン、更新まであと10ヤード"で、ヒューストン・テキサンズが17点、テネシー・タイタンズが6点。第2クオーター残り55秒、タイタンズの1ヤード時点で、プレイ・クロックは残り13秒だ。""については、詳細後述。

 

得点の条件

  • タッチダウン
    → 「エンドゾーン」まで攻撃が進出した場合に無条件で6点を攻撃のチームに加える。ちなむと、エンドゾーンは、この青い枠の中。f:id:tommy______m:20190211002349j:plain
    タッチダウン後は、「ポイント・アフター・タッチダウン (PAT)」というのがあり、成功したら1点となるキックプレー (後述するフィールドゴールと同じ) をするか、2ポイント・コンバージョンと呼ばれる、成功したら2点の、通常攻撃のプレーをするか選択可能。一般的にはキックプレーのほうが成功率が高く、1点を取りに行くことが多い。
    で、キックプレーの成功って…?というところだが、下の青枠の中にある、黄色いゴールポスト間にキックを通せばOK。

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  • フィールドゴール
    → エンドゾーンまで届かなかった場合、キックプレーを選択することが多い。
    これをフィールドゴールと呼び、成功したら3点を加える。

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    キックが外れたり、守備側の選手にブロックされたりしたら、0点となる。

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  • セーフティ 
    → 攻撃側のプレーが、自陣エンドゾーンで終了した場合に、無条件で守備側に2点を与える。
    この次のプレーは、攻撃側 (エンドゾーンに押しやられたほう) が、守備側に向けてボールを蹴るプレーから始まる。

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    ここでは、エンドゾーン内でタックルを受けて終了しているため、セーフティ。

 

プレーの流れ (キックプレー編)

  • 各チーム11人フィールドに立つ。これはどのプレーでも一緒。
  • 得点後/前後半の開始時はキックオフでスタート。

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    手前側が、「キッキング・チーム (Kicking Team)」と言われる、キックオフで「蹴る」チーム。真ん中に「キッカー」と呼ばれる、蹴る選手がいて、そのちょっと前に、10人の選手が並ぶ。
    置く側に「リターン・チーム (Return Team)」と呼ばれる、蹴られたボールを「運んで戻す」チームがいる。
    リターンチームの選手が、蹴られたボールを受けると、そこからキッキングチームにタックルされたところから次のプレー (通常の攻撃/守備) が始まる。

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    上のGIFでは、黒のユニフォームがキッキング・チーム、白のユニフォームがリターン・チーム。蹴られたボールを持って運んでいる白いユニフォームの15番の選手を、リターナーと呼ぶ。
  • タッチバックという概念があり、キックプレー後にボールがエンドゾーンに入った場合、リターンを行わなくても、無条件で自陣20ヤード地点 (キックオフでは25ヤード) から次のプレーが開始される。

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    上のGIFでは、リターナーが、ボールをキャッチしたものの、膝をついてプレーを終了させたため、タッチバックになる。25ヤード地点までリターンできない見込みが高い場合、あえてタッチバックにするのも戦術である。キャッチせずにボールがエンドゾーンに落ちてもタッチバックになる。
  • 後述するターンオーバーやペナルティは、キックプレーでも発生する可能性がある。

 

プレーの流れ (通常プレー編)

  • 攻撃のチームがパス/ランでボールを運んで行き、タックルされたところ、またはフィールドの外に出たところでプレー終了
    (* 本当はもっと定義が厳密なのだけど簡易化のため、便宜上そう書いています)
  • ラグビーでは前向きのパスが禁止されているが、アメフトでは1回だけ前向きのパスが可能。ただし、プレー開始地点より前の場所でパスを投げることはできない。手渡しや、バックパスは、何回でも可能なのがポイント。
  • パスは、1回だけできる前向きのパスを投げるプレー。パスが自チームの選手にわたってから、タックルされたところまでプレーが続く。

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    パスを落としたり、相手選手に弾かれた場合は、パス失敗 (=0ヤード獲得) として、もともとの場所から次のプレーが始まる。

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    パスを投げられないままに、タックルされることもある。その場合、「タックルされた位置から再開」なので、稼いだヤードはマイナスになる。これを「サック」という。

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  • ランは、ボールを持って前に走っていくプレー。f:id:tommy______m:20190211121605g:plain

  • 前回プレー終了したところから次のプレーが続く。プレーとプレーの間に「ハドル」を組んで、次のプレーを決める。
  • 4回のプレー (ダウンといいます) 以内に10ヤード獲得できたら、また4つのダウンを獲得 (=4回プレーできる)。失敗した場合は攻守交代
    その場合、また新たに最初のダウンから、残り10ヤード…となるため、「ファースト・ダウン獲得」と呼ばれる。
    「1st&10」などとよく見るのは、「今、第何ダウン」で、「ファースト・ダウン更新まであと何ヤードか」というのを示している。
  • 3回プレーして10ヤード獲得できず、フィールドゴールを蹴るには遠い…という場合は、4つ目のダウンで、パントキックを選択する場合が多い。
    (例えば、あと1ヤードで10ヤード…という状況では、あえて4つ目のダウンでも通常攻撃をすることがある。)
    パントキックでは、なるべく遠くまでボールを飛ばして、相手の攻撃を、相手陣地深くから進めさせることが目的。

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    キックオフ同様リターンプレーがあり、この場合、パントを受ける (=守備側だった) チームは、パントをブロックしたり、リターンで少しでもヤードを稼ぐことが目的になる。
    また、フェア・キャッチという概念があり、ボールをキャッチした瞬間にプレー終了となる。

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    片手をあげてフェア・キャッチのサインを出している選手にタックルをすると反則になる。また、フェア・キャッチのサインを出していても、ボールを落とした場合は、後述する「ファンブル」として、プレー続行となる。
  • ただし、インターセプト、ファンブルなどの「ターンオーバー」が発生する場合は、その場で攻守交代。

 

ターンオーバーとペナルティ

  • インターセプトは、守備側の選手が、パスされたボールをキャッチし、奪い取ることをいう。文字通り相手のパスを「遮る」プレー。
    インターセプトした瞬間に攻守が入れ替わり、守備側の選手が、ボールを持って進める。

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    上のGIFでは、37番の選手がインターセプトしている。

  • ファンブルは、ボールを持っていた選手がボールを落とし、守備側の選手がそれを拾うことによるターンオーバー。攻撃の選手が拾うことや、落としたボールがそのまま外に出てしまうこともあるが、その場合は攻撃が続く。守備側の選手が拾った場合のみ、攻守交代。
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    ここでは、サックされたQBがボールを落としてしまい、守備側の選手がそのボールを拾ったため、ファンブルによるターンオーバーとなる。

  • パント・フィールドゴールがブロックされた場合はファンブルと同じ。
    相手 (ボールを蹴らないほう) がボールを奪取した場合は、リターンプレーが始まる。
  • 相手選手をつかむ、ラフプレーをするなど、反則によって罰退させられることがある。攻守に関係なく、反則をしたチームが5ヤード、10ヤード、15ヤードなど、罰退させられる。守備側の選手が反則をした場合、第1ダウンからプレーを再開、という場合が多い。

 

 

ポジション紹介

攻撃
  • クォーターバック (Quarterback, QB)

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    攻撃の核となるポジション。パスを投げ、ランニングバック (次に出てきます) が走るときはランニングバックにボールを渡し、ときに自らが走る…など、やることが多彩。
    パスを投げる以上は、自分のチームの選手がどこに走るか、相手の守備を観察・読んだうえで適切なパスを投げる必要がある。しかも、プレーのパターンはかなり多彩なため、肩だけじゃなく観察力・頭脳も求められるポジション。

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    上のGIFでは、22番の選手に手渡しするフリをして、その後投げるふりをしてから、13番の選手にパスを投げている。こういう「フェイク」も織り交ぜながらパスを投げるのである。
    「時に自らが走る」のは、例えばパスする相手がいない場合にパスをするまでの時間を稼いだり、それでもだめなら自分が走ってヤードを稼ぐ、そんなパターンがある。 

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    上のGIFでは、パスを投げる相手が見えなかったので走って外に出て、それでも開いていなかったので前に走ってヤードを稼いでいる。
    ただ、足が速いQBの場合、「QB自らが走る」ことを前提としたプレーもある。

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    とにかく、この選手がしっかりしていないと、攻撃が、チームが、始まらない。
    先発のQBが怪我・離脱をしたばかりに、チームが不振になるなんてよくある話である。


  • ランニングバック (Running back, RB)

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    走る。馬車馬のように走る。「ランプレー」といえばランニングバックの出番なのである。
    人によっては、「相手を振り切るような、光のスピード」が武器だったり、「タックルを跳ね返すくらいの屈強さ」が武器だったりする。

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    こんなふうにタックルされることもあるが、それでも今日も走り続けるのである。
    時にパスプレーで、QBを守るために相手選手をブロックしたり、時に別のプレーではパスを受けることもある。
    最近のトレンドは、タイプの異なるランニングバックを二人併用することな気がする。

    また、チームによっては、フルバック (Full-back) と呼ばれる選手を置き、相手選手をブロックし、ランニングバックの走る道をこじ開ける役割の選手もいる。最近は見なくなった (≒ ほかのポジションの選手が兼任したりする) けど…

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    クオーターバックとランニングバックの間にいるのがフルバックだ。


  • タイトエンド (Tight End, TE)

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    時にパスをキャッチしたり、時にランプレーで相手選手をブロックしたり、とにかく万能なポジションである。どちらも高次元でこなせる選手というのはなかなかいないので、それだけで武器になる。


  • ワイド・レシーバー (Wide Receiver, WR)

    f:id:tommy______m:20190210225418j:plain基本的にはパスをキャッチすることがお仕事。
    ランニングバックでもそうだったが、光のようなスピードで、相手選手を出し抜いてビッグプレーを生み出す選手、相手ディフェンスをだますような複雑なルートを走ってパスを受ける選手などタイプが様々だ。
    ランニングバックがパスプレーでQBを守ったりするように、ランプレーでは、相手選手をブロックして、ランニングバックの走る道を作ることもある。
    上のフォーメーションでは、両端に二人、真ん中に一人ワイドレシーバーがおり、真ん中の選手を「スロット・レシーバー」と呼んだりする。Slotとは「溝」の意。

    スピードのある選手だと、「ランニングバックが走る」と見せかけて、ワイドレシーバーが走る、なんてプレーもあったりする。

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    左側にいた13番の選手がプレー前に走ってきて、ボールを受け渡されているのがわかるだろう。



  • オフェンシブ・ライン (Offensive Line, OL)
    クオーターバックの前に位置する、「線 (ライン) のように」並んでいる5人のこと。
    両端の選手がタックルと呼ばれる。左が「レフト・タックル (Left Tackle, LT)」、右が「ライト・タックル (Right Tackle, RT)」。特に、左タックルは、右投げのQBの場合、背中合わせ、QBからは見えない「ブラインド・サイド」と呼ばれるので、重要なポジションだ。
    日本では「しあわせの隠れ場所」なんていう邦題にされてしまったが、「The Blind Side」と呼ばれる、元ボルティモア・レイブンズのタックル、マイケル・オアーを題材とした映画は、まさにこのブラインド・サイドをさしているのだ。
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    その隣に位置するのがガード。こちらも、左がレフト・ガード (Left Guard, LG)、右がライト・ガード (Right Guard, RG)。
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    そして真ん中の選手はセンター (Center, C)。センターの選手がボールを渡す (スナップする) ことで各プレーが始まる。
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    パスプレーでは、これまでに出てきた、ランニングバック、タイトエンド、ワイドレシーバー、いずれもパスを受けてもいいのだが、オフェンシブ・ラインだけはパスを受けられない (ただし、ほかの選手に向けたパスが弾かれたボールをキャッチするのはOK)。また、RB、TE、WRは、どのような人数の組み合わせでもいいのだが、オフェンシブ・ラインは常に5人必要。この辺が特殊なポジションだ。
    仕事は、とにかく泥臭い。パスプレーの時はとにかくQBを守ること (パス・プロテクションという)。ランプレーの時は、相手選手をブロックし、走るルートをこじ開けること (ラン・ブロックという)。
    そのため、最重量の、最も「ごっつい」体格の選手がオフェンシブ・ラインを務める。 
    複雑なのは、ランプレーの時は前に出ていいものの、パスの時は、後ろに下がらないといけない。

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    …右へのランのため、全体的に右に動いているが、一部のオフェンシブ・ラインの選手が前に出ているのがわかる。

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    これは逆に誰も前に出ていない。パス・プロテクション時にオフェンシブ・ラインの選手が、半円を作るようにQBを守るのだが、その半円の中を「ポケット」と呼んだりもする。
    守備選手のだれがタックルしにくるかもわからないし、それを5人で連携しながらブロックしていかないといけない。
    仕事ぶりの定量化も難しいが、QBを守れなければパスプレーもでないし、ランルートがなければ走ることもできない。オフェンシブ・ラインが強くないと攻撃が始まらないのだ。

 

守備
  • ディフェンシブ・タックル (Defensive Tackle, DT)

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    ディフェンスの中でも一番ごっついポジション。 大体巨漢。オフェンシブ・ラインと真っ先にぶつかっていく。
    ディフェンシブ・タックルが相手のオフェンシブ・ラインをぶち破れれば、ランでヤードが出る前に止めたり、QBサックをしたり…というのも夢ではない。
    そうでなくとも、ここのポジションに、能力の高い選手がいると、オフェンシブ・ラインのマークを引き付けることができ、その間にほかの選手が…ということも可能になる。

  • ディフェンシブ・エンド (Defensive End, DE)
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    ディフェンシブ・タックルほどではないが、彼らもまた、ごっつい体系をしている。DT, DEを合わせてディフェンシブ・ライン (Defensive Line, DL) と呼ぶ。基本的にディフェンシブ・ラインの選手は、地面に片手をついて構えている。
    ディフェンシブ・タックルに比べると俊敏な選手が多い気がする。役割は基本的に同じで、とにかく相手のオフェンシブ・ラインにぶつかり、相手選手にヤードを稼がせない、ヤードを失わせること。

  • アウトサイド・ラインバッカー (Outside Linebacker, OLB)

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    ディフェンシブ・ラインの後ろにいるのがラインバッカー。その外側にいるためアウトサイド・ラインバッカーと呼ばれる。
    結構役割が柔軟だったりするポジション。時にパス守備に、時にパスでQBにプレッシャーをかけにいったりする。ガタイはディフェンシブ・ラインほどではないものの、俊敏性とフィジカルのバランスがよい選手が多く、戦術によっては、このポジションが最もQBサックを稼げる。

  • インサイド・ラインバッカー (Inside Linebacker, ILB)

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    インサイドにいるラインバッカーのため、インサイド・ラインバッカー。
    アウトサイド・ラインバッカーに比べると、QBにプレッシャーをかけに行くことは少ない。ラン守備やパス守備など、タックルでとにかく目立つポジション。
    ラインバッカーが止められないと、ある程度ヤードを稼がれてしまう結果になりがち。

  • コーナーバック (Conerback, CB)

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    主にパス守備で相手レシーバーと対峙し、大活躍する。
    ディフェンシブ・ラインは、ガタイの良さ、ラインバッカーはバランスがウリだが、コーナーバックは、スピードが必要なポジションだ。そうでないと、足の速いレシーバーたちに抜かれてしまう。
    投げられたパスを弾いたり、インターセプトするのが究極の目標。もし相手レシーバーにパスを取られてしまっても、そこから抜かれずに、タックルをしっかり決めることが求められる。
    こちらも、基本は両サイドに1人ずつ、というポジションだが、スロットにワイドレシーバーがいる場合などは、3人目として「スロット・コーナー」が入ることがある。

  • セーフティ (Safety, S)

    f:id:tommy______m:20190210230234j:plain最後の砦というべきポジション。ランでもパスでも、最後に抜かれないようにタックルを決めに行く。
    パスの場合は、深く投げ込まれたパスをインターセプトしに行く場合もある。
    フリー・セーフティー (Free Safety, FS) と、ストロング・セーフティ (Strong Safety, SS) の2ポジションがあり、一般的には、FSが左、SSが右。プレーによって変わったりもする。

スペシャル・チーム
  • キッカー (Kicker, K)
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    フィールドゴールを蹴るのがお仕事。一般的には、40ヤード以内のフィールドゴールは高確率で成功する。
    フィールドゴールの距離は計算方法がやや特殊で、ゴールから0ヤード地点までの距離が10ヤードあること、ボールの初期位置 (スナップされる位置) から、実際に蹴る場所まで7ヤードあることから、「ボールの置かれている位置+17ヤード」がフィールドゴールの距離となる。
    なので、例えば、「50ヤードのフィールドゴール」は、「相手陣地33ヤード地点」からのスナップである。
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    アメフトでは、3点差以内で決着がつくような試合も多く、「決勝フィールドゴール」になったり、「同点フィールドゴール」になることもあるため、単にボールを蹴る以上にプレッシャーがかかるポジションでもある。

  • ホルダー (Holder)f:id:tommy______m:20190210230627j:plainあまりホルダーを略して表記しているところをみたことがない。
    フィールドゴールにおいて、「ボールを持っておく (= ホールドしておく)」選手のことで、ボールの扱いに慣れている控えQBや、パンター (後述) が務めることが多い。
    あまりケースとしては多くないのだが、フィールドゴールを蹴るふりをして…というフェイクプレイがあったりして、その場合は、このホルダーが走ったり、パスを投げたりと、起点になることが多い。(これも後述)

 

  • パンター (Punter, P)

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    ボールをパントキックで遠くに飛ばすことがお仕事。
    ただし単純に飛ばすのでは、タッチバックになるリスクもあるし、リターンされると、ビッグプレーになって一気にヤードを稼がれるリスクもあるため、① リターンされにくいように、② 相手陣地20ヤード以内に追いやれるように蹴る必要がある。
    パントキックで狙ったところに落とす、という技術が必要なポジション。

    望ましくないパントの例① - リターンで15ヤード稼がれている
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    望ましくないパントの例② - タッチバックなので相手の攻撃が20ヤード地点から開始

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    よいパントの例① - 20ヤード以内に収められている (キッキング・チームがボールをとったためその場所でプレー終了)

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    よいパントの例② - 20ヤード以内に収められている (蹴ったパントが外に出たため出た場所から次の攻撃開始)

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    自チームの攻撃がある程度進むと、次の相手チームの攻撃を、不利なポジションから進められるようになるため、パント1つとっても重要なのである。逆に、「とにかく遠くに!」というパントになるほど攻撃が進まないのはそれはそれで問題。

  • キックオフ・スペシャリスト (Kick Off Specialist, KOS)
    キックオフで蹴る人。キッカーか、パンターのうち、キック力のあるほうが務める場合が多い。
    タッチバックだと25ヤードからの開始になるため、パントと同じ戦略…と言いたいところなのだが、意図的に外に出るキックをすると、反則になってしまうところが注意必要。

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  • ロング・スナッパー (Long Snapper, LS)
    通常のプレーと違い、フィールドゴールでは7ヤード、パントではそれ以上の長距離、ボールをスナップする必要があるため、スナップ用のスペシャリストがいる。それがロング・スナッパーだ。
    通常のオフェンシブ・ラインとは異なる選手がロング・スナッパーを務める場合が多い。

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基本的なフォーメーションと、戦術の考え方

  • アンダーセンターとショットガン
    クオーターバックがスナップを受ける位置も、大きく2パターンあり、「センターからの手渡し」か、「センターからスナップを受ける」かのいずれかだ。
    スナップを受ける…というのは、センターの両足の間からボールをクオーターバックに向けて「飛ばす」イメージだろうか。
    前者を「アンダーセンター (Under center)」と呼ぶことが多く、後者は「ショットガン (Shotgun)」と呼ぶことが多い。
    アンダーセンターのイメージ。こちらは、ボールをスナップするタイミングが、相手に見えづらいというのが特徴としてある。
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    一方で、ショットガンの場合は、あらかじめクオーターバックが下がっているため、パスプレーの時に視野をある程度確保した状態で始められるのがメリットになる。
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    当然、ショットガンのほうがパスプレーに向いている…のだが、それを活用して、「ショットガンからランプレー」というようなひと工夫を交えてくることもある。それがアメフトにおける戦略の一つでもある。

  • 守備のフォーメーション
    「3-4」や「4-3」という概念がアメフトの守備には出てくることがある。
    どういう数字かというと、「ディフェンシブ・ラインの人数とラインバッカーの人数」だ。3-4なら、ディフェンシブ・ラインが3人、ラインバッカーが4人。4-3ならその逆だ。
    3-4のイメージがこちら。

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    この場合、ディフェンシブ・ラインは、ディフェンシブ・タックルひとり (ノーズ・タックル; Nose Tackle, NTとも呼ぶ) と、ディフェンシブ・エンドふたり。
    ラインバッカーは、外・中2人ずつだ。
    4-3でのディフェンシブ・タックルに比べると、3-4のノーズ・タックルは、だいぶ重量級なのが特徴だ。
    そして、3-4においては、ラインバッカーの複雑さ、柔軟さが特徴。どのラインバッカーがプレッシャーをかけてきて、パス守備に回るか、というパターンが多彩なのだ。

    4-3はこちら。

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    ディフェンシブ・ラインは、ディフェンシブ・エンド、ディフェンシブ・タックルとも2人ずつ。ラインバッカーが、アウトサイド・ラインバッカー2人、インサイド・ラインバッカー1人になる。
    こちらは、どちらかというと、パスでのプレッシャーはディフェンシブ・ラインのお仕事、ラインバッカーはパス守備…というようにすみわけが明確になる。

  •  パス守備の分類

    大きく「マン」「ゾーン」「ブリッツ」の3種類がある。
    マン (マンカバー) は、攻撃選手1人に対して、守備選手1人をつけるマンマークのようなもの。1対1の守備なので、責任・担当が明確になるが、スキルの差があると地獄だ。
    ゾーンは、守備の選手に「このゾーンを守る」という担当領域がある。スキルに差があっても多少はカバーできるが、ゾーンの「隙間」を攻められると弱い。
    ブリッツは、通常よりも多くQBにプレッシャーをかけに行くプレイ。そのため、QBサックの確率も上がる。

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    しかし、パス守備に回る人が少なくなるため、「クイック・パス」と呼ばれる、スナップして素早くパスを投げるプレーや、「スクリーン・パス」と呼ばれるプレーに弱い。

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    スクリーン・パスは、オフェンシブ・ラインの選手があえてパスブロックをせず、相手選手をQBに引き付けてからパスを出し、相手選手がパスを受けた選手をタックルしに行こうとしたところをオフェンシブ・ラインの選手がブロックする、というプレイ。そのため、ブリッツしてくる選手を引き付けて…というのに有効なのである。

  • フェイクプレイ (通常攻撃)
    攻撃には大きく「ラン」と「パス」の2種類があるのは既出の通りだが、「パスするふりをしてラン」という「ドロー・プレー (Draw Play)」や、「ランするフリをしてパス」という「プレー・アクション・パス (Play Action Pass)」なんかも存在する。
    ドロー・プレー。QBがパスを投げるふりをして、しばらくしてからRBにボールを渡している。

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    こちらは、QBがRBにトスするふりをして、パスを投げている。

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    例えば、ランを中心に攻撃をしているときに、プレーアクションを混ぜると、「またランか」と思い、相手選手が前に出てくるので、そこで長いパスを投げる…というようなことが可能になる。

  • フェイクプレイ (スペシャル・チーム)
    パントやフィールドゴールを「蹴るふりをする」プレーもある。
    ただし、いずれも4thダウン (ここでファーストダウン獲得できなければ即攻守交替) という場面で行われるため、究極のハイリスク・ハイリターンのプレーだ。

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    上のGIFでは、フィールドゴールを蹴るフリから、ホルダーがパスを投げて、タッチダウンにしている。

  • タイムマネジメント
    アメフトでは時間がカギになってくるため、「時間を無理やり進めるプレー」や「時間を止めるためだけのプレー」が存在する。
    → スクウィブ・キック (Squib kick)
    キックオフで、あえてボールを低く蹴ることによって、無理やり相手にリターンをさせ、それにより時間を進めるプレー。

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    → QBニール (QB Kneel)
    攻撃時に、QBがスナップ直後に膝をつくことで、ランプレーとする。これにより、時間が消費される (プレー・クロックの40秒) ので、時間を食いつぶしたいチームが、試合終了直前に使うことが多い。

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    * スロー再生しています

    → スパイク (Spike)
    攻撃時に地面にボールをたたきつけ (スパイクし)、パス失敗とすることで、時間を止めるプレー。時間のないチームが、追い上げるときに使うことが多い。

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    * スロー再生しています

…基礎の基礎としてはこんなものでしょうか。「これがねーじゃん!」とかあったらどしどしコメントでもなんでもください。

 

次回予告:Madden NFLシリーズで見るNFLの一年

ひっそりとご期待ください。笑 

 

かくいう中の人も、かつてiPodアプリでMaddenをやってNFLを勉強したものなので実際にゲームをやってしまうほうが手っ取り早いという説もある。

 

Madden NFL 19 (輸入版:北米) - PS4

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